土銀 織姫になる前に

☆坂田サイド
小柄な美人になってしまう→
悪いのに絡まれる→強姦されかける
襲われる寸前→土方登場
→嫁救う→嫁惚れる→元に戻る→ネタバラシ

たなばたすぺしゃるだお[猫]


白髪のテンパ頭が振り乱れる。
「ああああああ!!!
クソッ!またすっちまった!!!
明日の神楽とぱっつぁんに食わせる米も
ねぇじゃねぇか!!!
あ~やっちまったなァ
あのときやめときゃよかった・・・」
真夜中にひとしきりパチンコ屋を
でて叫ぶ。
そして万屋に帰り
ため息をついて一人眠った。

一日だけでいい。
男に沢山の貢物を
持って来いとねだれる
赤い服の女になれれば
パチンコし放題。
パフェ食い放題なのにと
願ってしまった。

それが大いなる間違いだった。

「ん・・・あぁ・・・」

あくびをかいて起き上がる。

「?」

自分の声が心なしか高い。
肩が痩せたのか小さい。

「声変わりか?アレ?
痩せた?・・・・・ちが???」

気がついた。明らかに違う胸がある。

「ちょ!!!!!嘘だろ!!!
か、鏡鏡ィィィ!!!」

無我夢中で洗面所で全裸になって
鏡をみた。

・・・・結野アナ似の小柄な女が
慌てた表情で全裸で映っていた。

「ええええええええええええ!!!!!
あああああああああああ!!!
おい!俺のテンパ!!!アナログスティック!!!
えええええええ!!!!」

絶叫した。

「ぎんちゃぁん?またどこぞの
風俗の女連れ込んできたアルか?
朝からあぁ~あーうぜーアルゥー」

神楽ちゃぁぁん!!の声!
まずぃ。ここには居られない。
乾してあった神楽のチャイナ服のスペアを
着て慌てて飛び出した。


慌てて飛び出したもの、行くあてがない。
どうしょう・・・
不安を隠せずふらりふらりと歌舞伎町を
歩くとガラの悪い男どもが近づいてきた。

3,4人の中の中心人物の一人が
ニヤリと哂いながら俺に話しかける。
まさか定番のナンパとかってこたァねェか。

「お譲ちゃんかわいいね~
彼氏と喧嘩でもした?
俺らとタノシイことでもしょうぜ~」

哂えない冗談。
今俺は上玉の美人なワケか。
しかし気持ちが悪い上にウゼェ。

「顔ちけーんだよ。下種共。
息くせー 俺に近よんな。」

しまった!いつもの調子で言い返してしまった。
これでは火に油じゃねぇか!!!
中心人物の瞳に鈍い光が点った。

「譲ちゃん・・・
調子のるとお兄さん達・・・
お前を犯したくなるんだわ。
・・・お前らこいつを引っ張って
連れて来い。
お前らにも食わしてやるよ。」

3,4人は滾って俺を捕らえようとする。

俺は走って路地に逃げた。
だけど・・・思うように恐怖で
足が進まない。

摑まったら俺は・・・食われ壊れる。

駄目だ・・・捕まってしまう・・・
どうせつかまるなら土方に捕まえられたかった。
野朗どもの手が俺に触れたとき
聞きたかった声がした。

「おい。
か弱い女一人相手に
もっさい男らがよってたかって
ナニやってんだ?
これ以上天下の往来で
バカなマネしてみろ。
俺が誰だか・・・・
わかるよな?」

隊服で刀を抜こうとする土方が
ギラリとこちらを睨んでいる。

いつもと別人のように思うくらいの迫力。
正直背筋がゾクリとした。

ナンパA「ちょ!!!なんで
こんなところに土方がいるんだよ!!!」

ナンパB「しらねぇよ!!!とりあえず
逃げろ!!!こんな女置いとけ!!」

ナンパ中心「お前ら俺を置いてくなァァ!!
俺もにげる~!」

野朗共はバラバラになって
逃げていった。
愚かなマネをする奴らほど
体裁が崩れれば後は惨めなものだ。
俺と土方の二人だけになった。

正直・・・ほっとした。
そして惚れ直した。
こんなに土方くんって女目線から
すればかっこいいものなんだ。

「土方くーん;;;;ふぇぇーん;;;」

ぽろぽろと涙が溢れた。
めんどくさいな・・・女ってマジで。
自分の感情の処理も上手くできない
モノなんだから。

「土方くん?・・・土方・・・
ああ、先の奴らが呼んでましたっけ。
なんで俺の名前知ってるのかなと想いまして。
そんなことより怖かったでしょう。
もう大丈夫ですよ。
夜更けに女性がこんな場所を歩くなんて・・・
さぁ家までお帰りください。」

事務的な笑顔で土方は応える。
そうか・・・俺はやっぱり
坂田銀時ではなく
一般庶民の女の姿なんだ。
やさしい声が逆に虚しさを誘う。

俺には今帰る家がないから。

「お・・・アタシには・・・」

俺はアタシと言い直し土方に遠まわしに
訴えてみることにした。

「気使って下さってありがとうございます。
ですが・・・アタシには帰る家がありません。
実はアタシは実はお前と知り合いです。
お前が本当はヲタでマヨラーなのも知っています。
それで、本当はお前のこと誰よりも好きです。
いきなりおかしいこと言い出してすみません。
わかって欲しかったんです。」

土方は少し考えて煙草を吸いながら応えた。

「あなたがどなたか俺はわからない。
あなたの気持ちは受け取る。ありがとう。
あなたの彦星にはなれないのはすまねぇ。
俺には大切で内緒の嫁さんがいるんだ。
今から会いにいく途中だったんだ。
侘びと言ってはなんだがコレもらってくれ。」

土方の男らしい手から
俺の女みたいな細い手にぽふんとマヨがおちた。

俺はマヨを握り締め土方にコンマ1秒で
突っ込みアッパーをくりだしていた。

「マヨかよっ!!!!!!」

勢いでコケた土方が振り返って言った。
化かされたような全力で驚いた顔をしている。

「銀!!!お前
女装してたのかァァァァ!!!!!」

じっと自分の手を慌ててみた。
男独特のもっさい手に変わっている。
ついでに髪の毛を引っ張ってみる。
白い癖毛!!!
尻餅をついてこけている土方に
泣きながら飛びついた。

「とぉぉしろぉぉぉ~~~~;;;;
俺だとわかってくれんのかァァ!!!」

土方を抱きしめる俺。
俺の頭をもふもふと撫でる土方。

そして嬉しそうに言った。

「わかるぞw
愛しい嫁。」

そして申し訳なさそうに撫でながら言う。

「今日、織姫に会えますようにって
願ってしまった。叶っちまったな・・・」

「七夕か。
俺は今願うわ。
彦星とちゅーだとか。」

俺は唇に指をそっとあてて笑った。

「上等だ。」

それを合図に星が瞬き重なる二つの影と魂。
願いを叶えてだとか望むだけなんて甘い。
叶うように自力で全力に向き合ってからだ。


真夜中の野外pの後・・・・

土方が呟く。

「なんでチャイナ服?」

俺は生意気に呟く。

「スリットからヤりやすいとか
思ってんだろ。」

土方はあたりまえとばかりに頷いて言った。

「いい戦闘服だよな。
いいじゃねぇか。」

俺は拗ねていってみる

「すけべ。」
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